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『人類が生まれるための12の偶然』眞淳平

今も、人間が言葉を獲得した時期はわかっていないようです。
75000年も前の南アフリカの遺跡から、縦や横、斜めの線といった幾何学模様の刻み目が入った土片がみつかっていて、これがどうやら人間にある重要なことがおこったことを示しているんだという仮説がある。人間が言葉を使うようになったのではないかと言うのです。こうした抽象的な思考を生むためには、言葉が不可欠なんだと考えられている。

言葉が抽象的思考を生んだというのはとても興味深い。抽象化することで概念を共有するんだから、言葉は概念だとも言える。「ネコ」や「花」という言葉はともかく、特に「社会」とか「世間」という言葉はみんなの頭の中にしかない概念です。
そうしたら、「建築」は言葉で考えているとも言えるし、概念でつくっているとも言える。だから既成概念をやぶることが新しい建築とばかり、些細な差異を競った建築が世の中をにぎわしている。そこにはあまり興味ありません。少々唐突ですが、建築は想いでつくるものと思っています。