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船橋光の子保育園

写真:中村絵
掲載誌:2017 『住宅建築』4月号―特集 かめ設計室の仕事―

竣工年  :2016年
所在地  :千葉県船橋市
用途   :保育園
構成   :0〜2才児 20名
構造   :木造平屋新築 既存木造平屋改修
敷地面積 :441.54㎡ 133.29坪
延床面積 :143.27㎡ 43.25坪
設計期間 :2015年3月〜2015年9月
工事期間 :2015年11月〜2016年5月
施工   :株式会社 持井工務店

朝日がいっぱい入る部屋で、
パンツをはいた乳児が元気よく這い回っている。
庭に面した低い窓からは、
腹這いでも四季折々の景色がよく見える。
大きな庭の木が地面に快い木陰をつくっている。
少しはなれて水道の蛇口が低い高さにあって、
いつも子どもたちが水の感触を楽しんでいる。
庭の脇には芝生の斜面があって、
0歳児が高足這いで登る。
手指足先に神経がいきとどいて、力づよい。
3つ子の魂が百までと言うなら、
ここは生命の樹の根っこをはぐくむところ。

一帯は丸山という船橋市の飛び地で、その名の通り小さな丸い丘になっている。敷地はその丘のはじまりの南斜面にあり、庭は梅や桜、刈り込まれた樹々やシュロの木、大きなヒマラヤ杉などが生え、ぐるりと垣根に囲まれている大きな住宅だった。春には近くを通るたびにウグイスの鳴き声が聞こえ、近くに住む私達がいつもうらやましく眺めていた場所だった。
北西に建つ空き家を改修し、0才児棟とした。裏は車の通らない垣根の小径に面していて、よく眠る乳児にちょうどよい。しっとりとした緑の裏庭が涼やかで、窓を乳児の高さまで下げた。南西に新築した1、2才児棟は、庭の広がりを遮らないようできるだけ高さをおさえた。空はつながり地面は部屋に続いて表通りまで抜けていく。東側の杉板張りの大きな部屋は明るく動きがあって庭やテラスとつながり、西側の小さな部屋は土壁に和紙を貼った、たたみのくぼみのある穴ぐらのような落ち着きのある部屋とした。均一に明るく見通しのよい大人のための保育施設ではなく、子どもたちが安心して一日を過ごせる子どもにあったスケールや多様なしつらえを大切にした。別棟であることも良い環境を生んだ。

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