『すまいの明暗』1982年4月

滝沢健児著 中央公論社

はじめに
第一部明暗をわかつものー壁と屋根
教会の空間、寺の空間/屋根と柱の空間/灰色のトーンについて/茶の間の空間/個室の空間/木の柱の美しさ/「らしさ」という言葉/土壁について/障子について/和の空間と影/御簾のある空間
第二部明暗を生かす道ー珠光、紹鴎、利休
捨棄の精神/私の不確実性/明暗の諧調/暗さの意識化/凝縮の精神/内包性と広がり/侘びの生命/白い灰色の意味するもの
おわりに


「BookReviewでも紹介した『形の意味』の著者滝沢健児氏が、その18年後に出版されたのが本著。タイトルからもわかる通り、今度は〈形〉の対極とも言える〈明暗〉に取り組んだ。実は設計者は、建築に〈形〉を与えることによって、〈明暗〉や〈すまい〉という形のないものを思い描いている。最終的には、〈形〉のあとにおとずれる〈形のないもの〉の価値が問われているんだと思う。」(2009.12.17)